土地や建物は現物を見ても誰の持ち物かわからないことが多いですし、ひとつの土地や建物にも地役権や抵当権などのさまざまな権利が重層的に認められていることがあります。そこで我が国では登記制度を採用し、こうした土地や建物にまつわる権利を法務局に備え付けられた台帳のかたちで公示することにしています。もちろん現在では紙の台帳からコンピューターによるデジタルなデータに置き換わっていますので、誰でもすぐに閲覧することが可能でかつての時代よりも便利になりました。そこで土地や建物を持っていた人が亡くなった場合、その所有権は相続人に映ることになりますので、台帳と実態とを合致させるために相続登記を申請する必要が生じます。

この相続登記は管轄する法務局に申請をして、その申請内容が登記官に認められれば完了しますが、手続きにあたっては応分の費用負担があります。相続登記には各種の添付書類が必要となるため、これらの添付書類を市町村役場などで取得するための交付手数料が費用としてかかります。戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書・固定資産評価証明書などがここでいう添付書類にあたりますが、それぞれ数百円程度とはいっても、なかには相続人全員のものが必要になる種類の書類もありますので、トータルするとそれなりの金額です。また申請にあわせて登録免許税という一種の手数料の支払いがあります。

これは不動産の価額の1000分の4とされており、原則として不動産の価値が大きいほど税額が大きくなりますが、租税特別措置法により例外が設けられている場合がありますので、あらかじめ費用は確かめておくのが望ましいといえます。

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